2018.8.27 ニール・サイモン氏死去。拙著の11話を公開。
松久淳/著 角川書店/刊 定価1,050円(税込) 2014年1月29日発売
本書の趣旨は下のほうで説明していますが、中級作家の生態を綴った2年間の連載が、一冊の本にまとまりました。改題しました。
小説の書き方、作家の心構え……といったことは、これまで上級作家の先生方が書かれた本がたくさんあるかと思いますので、ここではばっさり割愛。もっとリアルな、印税や原稿料から映画化などのお金の話、雑誌や書籍の変なルール、発売後の本の評判やたどる運命などを、あからさまに、しかしとても笑えるように書いてみました。
内容的に連載では見送った書き下ろしも4本追加。さらに全話に対するものすごく細かく面白い注釈もつけました。「ここで書いてる雑誌はこれ」「ここで名前を伏せているのはこの人」といったことから、昭和感丸出しのたとえやフレーズの平成の若者向け解説までしっかりと。お得。
しかもたったの1,000円です!
そしてオビの推薦文は、みうらじゅんさんにいただきました!
<目次>
第1章 お金は稼ぎたい
1印税は払われる/2原稿料はわからない/3エッセイはつまらない/4打ち切りはやってくる/5ネットは気になる/6過去は糧になる/7日記はつける
第2章 名誉は欲しい
8女優は振り向かない/9映画は儲からない/10友達は欲しい/11キャッチフレーズは恥ずかしい/12作家はデビューする/13ベストセラーは売れる/14会社は経営する
第3章 地位は上げたい
15雑誌は載りたい/16掲載誌は届く/17絶版はしている/18代打は頼まれる/19ツイッターはやらない/20自分は信じない/21不惑は迎える
第4章 仕事は続けたい
22体力はなくなる/23スランプはつらい/24締切は守る/25就職は厳しい/26人脈は築く/27パクりはいけない/28若さは使える
<中級作家ニュース>
・2014年6月17日(火)文化放送「吉田照美 飛べ!サルバドール」に出演。『中級作家入門』について話しました。
・映画秘宝4月号(松崎憲晃氏)、女性自身4月15日号(三省堂書店・母袋幸代氏)、本の雑誌5月号(荻原魚雷氏)、フリースタイル26号(盛田隆二氏、枡野浩一氏)などでレビューが掲載されています。
・ネットで読める書評・インタビューは、東京新聞2月9日「書く人」著者インタビュー(加古陽治氏)、本の旅人2月号のレビュー(千野帽子氏)、HONZというサイトのレビュー(東えりか氏)、女性セブン3月27日号の紹介、などがあります。
・グーグルブックスで、第4話「打ち切りはやってくる」がまるまる読めるようになってました。
連載時情報「中級作家時代」
野性時代誌 2012年3月号(2月13日発売)より連載開始
これは、「初級」と「上級」の間の「中級/作家時代」、ではなく、現役作家ランキングで100位から200位の間くらいの(当社調べ)、こっぱ作家の先生が、文学とはなんぞや小説とはなんぞや、ということにはこれっぽっちも触れず、どんなレベルにいて、どんな生活をして、どんなことを考えているか、という「中級作家/時代」をレクチャーしていこうという趣旨なわけだ。
しかしさっそく君たちはこう思うわけだ。「おまえみたいなこっぱ作家の実情なんか知りたくないわ」と。
でも考えてみてほしい。いままで作家のイメージというと、銀座のホステスさんを囲ってるか、場末の早朝ソープに月に1度行くのだけが楽しみのどちらかだったはず。そこへいくと先生は、渋谷の安キャバクラくらいなら後輩に奢れるけど、六本木の高級店は先輩に奢ってもらうときしか行けない。
どう、さすが中級な中途半端さ。言い換えると身近な雰囲気。飲みに誘えば来てくれそうなフレンドリーさ。存在の耐えられない軽さ。
というわけでこっぱ作家の先生が、作家の実情をレクチャーするのは有意義なのだ。ハンニバル・レクチャー博士。(本文より)
と、こんな連載を始めます。かなり面白いんではないかと思いますので、ご興味がありましたらぜひ。イラストは葵ヒトリさんです。(2012.2)
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