ラブかストーリー

松久淳+田中渉/著 小学館/刊 定価1575円(税込) 2007年8月29日発売

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初恋は、妄想だ。

おそらく半径500メートル、いや1キロを見渡してみても「一番かっこいい!」と思われること間違いなしの超美形男子高校生・永峰達也は、ある日、通学途中に清楚な美少女を見かける。
「か、かわいい……」
しかし、そこは、120%妄想男の達也。「告白」→「メアドの交換」→「初デート」→「それから……」の脳内シミュレーションのみが日々バージョン・アップされ、声をかけるまでに1年半経過。さらに、そこから手を繋ぐこともできない状態が1年も続いた(ああ、もう、じれったい!!!)。
ところが、ひょんなことから、ふたりは「ともに物語を書く」という共通の趣味があることに気付く――。

読書好きの少年少女・元少年少女必読の一冊。

さあ、いよいよできました「ラブかストーリー」! (2007.8)

松久淳+田中渉コンビ10作目にして、ラブコメシリーズ第3弾、(笑えるという意味での面白さならダントツの)最高傑作。感動したかったり泣きたかったり、はたまた高尚な文学を読みたかったりする方はあれですが、最初から最後まで(そういう意味での)面白さは保証します。分厚いですが一気読み必至。

帯コピーなどで、だいたいの内容はわかるかと思いますが、妄想がからまわりする高校生男子と、その対象の美少女、そして若者に「いらんこと」を教えたくてしょうがない大人たち、そして「小さな願い」と題された謎の小説ーーー。もどかしくも甘酸っぱい初恋ストーリー、の「裏側」をハイスピードでお届けいたします。

本を読むのが好きな人には、ぜひ手に取っていただきたい一冊でございます。

もう誰にも止められない!!!
妄想美形男子vs読書美少女、
空前絶後のラブ(か?)ストーリー

2004年「ラブコメ」、2006年「ストーリー&テリング」、そして・・・と、よくあるあおり文句を使ってみたくなる新作、「ラブかストーリー」です。あんまり褒めてもらえないんで自画自賛しますが、またしてもいいタイトルをつけてしまいました。「ラブスト」と略すか「ラブかス」と略すかは皆さんのお好みでどうぞ。

この3作はすべて独立した作品ですのでどこから読んでもらってもかまわないのですが、「ラブコメ」「ストテリ」同様、「あの小説のあの人が」的、登場人物の重複もお楽しみいただけるかと。アモーレブラザーズも、あろは寿司のみやもっちゃんも(なんと今回は海外に出店?)、もちろん「隣の部屋の渡辺さん」もまた登場です。「ばってんスリー」の再登場(!)もあるかもしれません。

そんな本作の主人公は、「ラブコメ」でヒロイン真紀恵ちゃんの花屋でバイトしてた、キャバクラ嬢の涼子ちゃんーーの弟の、永峰達也くん17歳。

この達也くん、美人姉の涼子ちゃんに負けず劣らずの超2枚目、歩けば街行く女性の視線を一手に引き受けるような男の子なのですが、ただし、とんでもない欠点が。それは、

「小説好きの童貞」

その容姿からモテモテに思われてて、いまさら後には引けなくなってる達也くんですが、実は日々、電車で見かけた「日比谷線の君」を思って妄想炸裂、文学チックで電波におかされてるとしか思えない文章を綴ったり、モノローグを本当に口にしながら歩いていたりという、見た目とのギャップがありすぎる困ったイケメンなのです。イケメンって。

女の子に話しかけるにも何十通りのシミュレーションを展開、ひとたび家に帰れば気持ちの悪い(と本人はこれっぽっちも思ってない)恋愛小説を何作も(頼まれてもないのに)執筆、いざ女の子と初デートだということになれば、行動から台詞まですべて決めこんで、それがデートへ向かう最中に口に出ちゃってるのに気づかない。

そんな妄想フルスロットルの達也くんの初恋のゆくえやいかに?

童貞高校生は実はこんなことを考えているということがわかって、女性読者は「げっ!?」と思ってしまうかもしれませんが、ここはひとつ、達也くんを暖かく見守っていただければと、達也くんにかわってお願いいたします。

そしてなぜタイトルが「ラブかストーリー」なのか? ラストでその謎が解ける・・・かもしれません。(2006年7月20日号より、きらら誌で連載)